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ゴブレットと自家製ジンジャーエール。 休みの食べもの Vol.1
短い脚のついたグラスであるゴブレットは、日々のちょっとした瞬間をお洒落な気分にしてくれるグラス。CRAFT STOREでも木村硝子店の「ろーたす 10oz」ゴブレットがロングセラーですが、今回はその兄弟分である「しゃろっと 10oz」と「ぺあ 10oz」を新しく入荷しました。ちょっとリッチなグラス「ゴブレット」とは?使い方とおすすめをご紹介そこでいい感じに写真を撮りたい筆者の「ゴブレットのおしゃれな使い方思いつかない?」の一言をきっかけに、土曜日に暇を持て余したCRAFT STOREスタッフのアラサー男2人がお洒落なゴブレットの使い方を探る様子をゆるくお伝えしていきます。登場人物 こいぬまさん:アドリブで料理を作るのがやたら上手いデザイナー。 清水(筆者):二日酔いのデザイナー。こいぬまさんとは美大の同期。 自家製ジンジャーエール。 ゴブレットが映えるいい感じの使い方をしたいんだけど、茶氷はやってるし、なんか面白いのないかなぁ。 ジンジャーエールとか自分で作ると美味しいよ。好きなスパイスを入れて好きな味にできるし それだ、これからの季節っぽいし。底にちょっと溜まってるおしゃれなやつやろう。二日酔いに効きそうだから超辛くしよ。というか作れるんだね。 けっこう簡単にできるよ。 早速材料の買い出しに行くものの、分量は?と聞くと「もうね、計って入れたことないからわかんないんだよね」とのこと。うーん困る。ここでは使ったものの分量の目安、手順だけご紹介していきます。ジンジャーシロップの材料・生姜:いっぱい・砂糖:ザーッと・鷹の爪:1本・クローブ:5つくらい・シナモン:一本・水:適量・コショウなどそのへんにあったもの手順:いい感じの味になるまで材料を調節しながら煮込む。それでは実際に作っていきましょう。まずは生姜をざくざくと切っていきます。 皮剥いたり、細かく刻んだ方が味はしっかり出るんだけど、漬け込んで日にちが経つと生姜の味がきつくなりすぎるから、ざっくりでいいと思う。細かく刻んだものは飲むときにトッピングしてもいいね。 小鍋に生姜と水、砂糖をザァーッと加え火にかけます。ちなみにこいぬまさんは水の代わりに日本酒を入れていました。その効果に清水は懐疑的です。僕の命の水を。鷹の爪を入れて煮込んでいきます。種は取り除きましょう。 輪切りにするときれいだけど、ちぎっていれちゃいます。土曜日だからね クローブとシナモンも入れていきます。軽く砕くと香りが立ちやすくなりますよ。ホールスパイスはカレーに適当に入れても香るので、常備しておくとなにかと便利ですよ。炒め物に入れてみても美味しくなりそう。コショウとかレモンとか、その場にあったものを思いつきで入れていきます。そう、料理とは実験なのだ。この人は何度失敗したのだろうかと思いながら見届けます。とろみが出てくるまでグツグツ煮込みます。この湯気が鼻に入るとムッハッとなりますのでご注意ください。味をみて、なにか物足りなければその都度調節しましょう。生姜をすって入れてみたり、追い砂糖をしてみたり。炭酸で割るので、濃いめに仕上げてください。 (味見をして)あーっ強い!たるんだ胃を殴りにきてる。 消毒した瓶に詰めておきます。既にお気づきの方もいるかもしれませんが、使っているのはaikataの雪平鍋です。こういうときに便利なんですよね。シロップは日が経つにつれて辛味が出てくるのだそう。砂糖で煮詰めてはいるものの、保存食ではないのでお早めにお召し上がりください。シロップと氷を入れたグラスに、そっと炭酸を注ぐとできあがり。 夏っぽくていいじゃん!ちゃんと沈んでるおしゃれなやつになってる。 なんてはしゃぎながら写真をとっていると、こいぬまさんはブドウでコンポートをつくりはじめました。コンポートとヨーグルトのドリンク。コンポートの作り方は超簡単。砂糖を火にかけて溶かし、果物と煮詰めるだけ。果物が柔らかく溶け出したら完成です。今回は生のブドウと、試しにコンビニの冷凍マンゴーを使って2種類作ってみました。 コンポートってこんな簡単なんだね。余ってダメになりそうなフルーツとか使えるじゃん。 そう、鮮度とは別の次元にワープさせる。でもジャムほどはもたないよ。 ヨーグルトを牛乳または水で割ってヨーグルトドリンクに。氷を入れたゴブレットに注ぎます。コンポートを添えればヨーグルトドリンクの出来上がり。すごい簡単です。 うわーきれい、きれいなんだけど、なんかこれフルーチェとかのパッケージみたいじゃない? ほんとだ、キレイだけどちょっとおしゃれじゃなく思えてくる! コンポートソーダ。ちなみにこのコンポート、炭酸で割っても美味しいのです。氷と炭酸を注ぐだけ。シロップと同じく、底に溜まるのがキレイ。ブドウみたいに色の強い果物だといいですね。軽くかき混ぜていただきましょう。おや‥? ちょっと待ってこれ…見た目ファンタグレープじゃない? どう見ても完全にファンタじゃん。ってことはもしかして…...
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涼むうつわで夏支度。素麺が美味しい器たち。
気温と湿気がついに夏が迫っていることを感じさせる今日この頃。反射的に、体も冷たいものを求め始めてきました。今回は夏の食べ物の代名詞「素麺を楽しむ器」というテーマで集めたアイテムを、CRAFT STORE デザイナーの清水の主観でご紹介していきます。今までで一番、素麺が美味しい夏にしよう。「夏の食べ物」としてまず思い浮かぶのが「素麺」。幼い頃の夏休みには食卓に上がり過ぎたせいもあって、申し訳ないことに「手抜き料理」なんてレッテルを張っていた節がありました。やがて時は経ち、素麺の歯ごたえ、のどごし…その奥深さを知ってしまった今では、すっかり好物の一つとなっています。そんな素麺を、もっと美味しく楽しめる器を探そう。適当な丼に盛るのではなく、素麺のことを第一に考えて器を選んでみてもいいじゃないか。その気持ちから今回の企画は始まりました。これは私なりの、素麺に対する贖罪なのです。食材だけに涼しさが命。フロストガラスの鉢「そうそうこういうの」と言ってしまったほど、ザ・涼しいデザインの「吹雪 鉢」。氷から削り出したようなフロストガラスは、見ているだけで体感温度が下がって行くようです。これほどまでに素麺が似合う涼しい器があるだろうか、というシンプルな理由で選びました。素麺だけならず。ガラスの鉢ってあんまり馴染みがなくて使いづらい、と思われるかも知れません。しかし使っていて気づいたのは、半透明のフロストガラスはクリアなガラスほど「食卓で浮きすぎない」こと。陶磁器とガラスの間という感じの質感だから、涼しく頂きたい料理なら結構何にでも使えます。角切りにしたトマトやきゅうり、キウイをオリーブオイルと塩で和えたキューブサラダ。横からうっすらと透けて見える様がかわいく、こういうカラフルな食べ物はガラスが活きるなとも発見しました。吹雪 鉢 2,420円万能、藍のストライプ。「藍駒」シリーズの爽やかな藍色のストライプは夏っぽく、なんとなく素麺のイメージが離れなかったアイテム。すでに大好評を頂いている「藍駒 浅鉢」でも素麺を盛ってみましたが、文句なしの相性。この「藍ストライプ」はとっても優秀。藍が食材の色を引き立たせ、柄が余白の間をもたせる、派手すぎない適度な賑やかしとなっているのです。藍駒 鉢 1,100円そんな藍駒に、ちょっと洒落た盛り方もできる「大皿」が仲間入り。3,4人のファミリーでもシェアできる大きさです。藍駒 大皿 3,850円素麺に飽きることなかれ余談ですが、ほんのちょっとのアレンジでガラッと変わるのが素麺。「つゆに黄身を入れると美味しいよ」なんて聞いたのでやってみると、びっくり。「さっぱり」を悪く言ったときの「物足りなさ」を、黄身の濃厚な食感が補ってくれるのです。ぜひお試しあれ。夏の食卓におすすめの器sghr ナツ 17cm 丸皿ナツ 17cm 丸皿 3,850円sghr billow platebillow plate 4,400円H2OH2O(エイチツーオー) 11,000円そさら(sosara)[sosara]
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音で部屋を飾ろう。空気をつくる風鈴たち
風鈴は空気をつくる。「音には邪気を払う力がある」なんて古くは云ったそうだけど、この季節に風鈴を出すと、なるほど頷ける。ふとした瞬間に リン と鳴る。これだけで空気が澄みわたって「ああ、いい音」と涼しくなる。現代でも風鈴を飾りたくなる、風鈴の魔力ですね。決して必要なものではないけど、吊るしておくだけで確かに、毎日の暮らしにちょっとしたドラマというか、彩りを添えてくれるのが風鈴なのです。室内でも楽しめる。縁側がある軒先に吊るすのは憧れるけど、風鈴は室内だって十分楽しめます。たとえばエアコンや扇風機をつけると、室内には結構な空気の流れが生まれます。特に空調の風下になるところに設置するとよく鳴ってくれますよ。また玄関に設置するとドアを開けるたびに風が抜けるから、ささやかに鳴ってくれます。人の出入りを音で気付けるのもいいところ。初夏や秋などあたたかな風が心地いい季節なら、風が抜ける窓のそばに吊るすとさらに心地いいのです。オフィス風鈴。個人的なおすすめは「オフィス風鈴」。エアコンや人の動きが多いオフィスでは風が起こりやすく、意外と鳴ってくれるんです。忙しいと色んな意味で空気が淀みがちですが、ちょっとした瞬間に鳴り響くと空気が澄む感じが個人的に好きだったりします。夏のオフィスにちょっとした遊び心をどうぞ。CRAFT STOREの風鈴たち素材だったりデザインだったり、CRAFT STOREではちょっとユニークな風鈴を揃えています。3RD CERAMICS FURINガラスや金属が定番な風鈴だけど、3RD CERAMICSの風鈴は「磁器」。磁器は他にない、涼しくも柔らかい絶妙な音色を響かせます。FURIN(風鈴) 4,620円能作 rinコロンとかわいい、真鍮製の風鈴。キンとひんやりとした音色が長く響くのが特徴。風鈴 Rin シルバー 6,050円能作 ホルンその名の通り、楽器のような形をした風鈴。rinに比べると優しい音色が響きます。風鈴 ホルン ゴールド 6,820円※動画内には現在廃盤となっている風鈴の音色も含まれております。音は空気をつくる。風鈴を飾りたくなるのは、その気持ちよさを感覚的に知っているからかもしれません。今年の夏は、ちょっと変わった風鈴を迎えてみてはいかがでしょうか。
スタッフのおすすめコラム
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暮らしに杉の香りを。老舗の桐箱店がおくる、日常使いのアイテムが届きました
桐箱店がつくる、暮らしの雑貨たちその名の通り、あらゆる桐箱を手掛ける増田桐箱店。 創業90年あまりの老舗でありながら、桐を始めとした様々な木の特性を生かした生活雑貨を作り出しています。そんな増田桐箱店から、国産の上質な杉材「吉野杉」を使った、2つの特別なアイテムが届きました。吉野杉とは?吉野杉は、紀伊半島の中部、奈良県南部の山間が産地の杉のこと。特徴はなんといっても、木目の美しさ。すとんと真っ直ぐな木目はまるで定規で引いたよう。一定間隔に並ぶ天然のストライプの整然とした様は、ひと目でそれと分かるようなアイデンティティがあります。吉野杉の香りを暮らしに添える。杉は香りがまた、いいのです。使うとき、ちょっと近づいたとき、ふとした瞬間にふわっと杉の香が漂い、まるで森の中にいるような爽やかな気持ちにさせてくれます。本を片付けたくなるブックスタンド増田桐箱店で既に大人気の「ブックハウスネスト」は、3つの三角屋根がインテリアのアクセントとしてかわいいデザイン。吉野杉独特の自然のストライプが美しく、日焼けや湿気から本を守ってくれるブックスタンドです。本の家ブックハウスネスト(Book House Nest) 9,680円パンを美味しく収納する。第二弾は「パン箱」。早めに食べないとカビてしまうのがパンの困るところ。冷凍する手もあるけど、やっぱりパンはそのまま食べるのが一番おいしいものです。パン箱は杉が呼吸することで、内部を程よい湿度に保ってくれるというすぐれもの。乾燥を防ぎながら、袋のまま置いておくよりもカビの発生を抑えてくれます。こちらも箱をあけるとフワッと、杉の香り。朝に爽やかな香りが添えられるのは気持ちのいいものです。パンだけではなく、湿気に弱いポテトチップスやお煎餅などのお菓子、乾物類をしまっておくにも丁度いいボックスです。食パン保存箱 6,050円創業90年あまりの老舗、増田桐箱店増田桐箱店は、福岡県古賀市に工場を構える老舗の桐箱店。実は、CRAFT STOREで扱っているような工芸品を収める桐箱では、そのほとんどが増田桐箱店が手掛けたものといっても過言ではないほどのシェアを占めているのだそう。一日に作られる桐箱の総数はおよそ5000箱。機械で効率的に次々と作るような桐箱から、職人が一つ一つ手仕事で作るものまで、実に様々な桐箱を手掛けています。製品のパッケージとして用いられる桐箱から、何百、何千万円もするような工芸品を入れる箱までも手掛けています。機械で作ると言ってもスイッチを押せばパッとできあがるわけではなく、人の手と眼によって作られる手仕事という点に変わりはありません。老舗として、品質に一切の妥協はないのです。そもそも桐箱は湿気や虫を防ぎ、比較的燃えにくいことから金庫の素材としても使用されていたくらい、昔から大切なものを保管するのに重宝されてきた箱。とはいえ、桐箱自体の需要は少なくなってきているという現実もあります。「いい品質のものを手に取りやすい価格でお届けするには、効率的な生産が不可欠です。工場には、独自に設計された機械も数多くあります。」そう語るのは、増田桐箱店の代表 藤井博文さん。増田桐箱店は、90年あまりにわたり桐箱を手掛けてきた、いわば「木のプロフェッショナル」。桐にかぎらず、桐箱づくりの受け継がれてきた技術を、「ブックハウスネスト」やパン箱のような新しいプロダクトに生かしたものづくりをしているのです。本の家ブックハウスネスト(Book House Nest) 9,680円食パン保存箱 6,050円
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小さい出会い、長い付き合い vol.3 「ミシン台と海色の書斎」
惹きつけられるように、何気なく偶然出会った“もの”が、生涯の相棒になったり、特別で忘れられない贈り物になったり。そんな、不思議な「ものとの出会い」をエッセイストの中前結花さんが綴る連載エッセイ「小さい出会い、長い付き合い」。今回は、お気に入りの書斎を作ったお話です。これまでわたしが勤めた会社にはすべて、「ハンガーラック」というものがあった。急な外出のためのスーツや、着てきたコートなんかをそこに吊っておくのだ。しかしわたしはこれを1度たりとも使ったことがなかった。ダラリと垂れるロングコートも、いつも椅子の背中や膝にかけておくようにしていたから、裾はすぐに汚れてしまう。けれど、10年ほどの会社員人生のなかで、わたしが自宅からハンガーを持っていくことは結局1度としてなかった。思い返せば、どの会社にも給湯室があって、そこに自分のマグカップを置いておく慣例もあったけれど、やっぱりわたしが自分のマグカップを会社に持っていくことはなかった。そんなだから、他人の家に着替えや洗面用具を置いてくる、ということもない。「まだ居場所ではない」ような、「いつ去るともわからない」ような、そんな気持ちがどんな場所に対しても常に心にあった気がする。片膝を立てているような、どこにもペタンと落ち着いて座り込むことのないような、どこにいてもそんな自分をいつも感じていたのだ。そしてそれは、困ったことにこの部屋に越してきてからも同じことだった。恋人との共同生活を始めたけれど、長らく使ってきた1人用の掛け布団もシーツもわたしはクローゼットに仕舞い込んで、捨てることができずにいた。長い時間うんうんと唸りながら物を書くような仕事をしているのに、仕事机を作ることはせずに、リビングの片隅でうんうんとやっていた。靴は冬ものしか並べず、夏や秋の洋服はまだ段ボールを開けてもいない。「本当に座り込んでいい場所なのだろうか……」いつもそんなことを傍で考え、どこか「仮暮らし」のようなことをこっそりひとりで続けてしまっている、ずっとそんな気分で過ごしていたのだ。けれど、出会いは突然やってきた。それは、きれいにオイルの塗られた古材のミシン台だった。惚れ惚れとするようなデザインで、わたしはどうしても自分のものにしたくなった。そして、どうしてもそれを「自分の席」にしたいと思ってしまったのだ。しばらく経ってもその気持ちは変わらなかった。思い切って安くはないミシン台を手に入れると、今度はそれに似合う椅子も欲しくなった。茶色いレザーに包まれたアンティーク調のものを手頃な価格で手に入れると、今度は「仮に」と本なんかを積んでいたワゴンも、ミシン台に合わせて自分で塗装をしたくなった。そうして気づけば、お気に入りに囲まれた小さな「書斎」が部屋の片隅に完成しようとしていた。窓向きのその席は、腰を下ろすだけで気分が晴れやかになったし、何よりも「おお、ここだったか」という心地がした。けれど、あと一歩だった。なにかもうひとつ、わたしはそこに“目をやりたくなるもの”を加えたいと考える。できれば、ちょっと華やかでそれでもしっくりと馴染むものがいい。そして「そうか、花でも挿せたらいいのにな」と思うのだった。生まれ育った兵庫には、「丹波焼」という伝統工芸があった。特に青や緑、鳶色(とびいろ)が有名で、なかでも青みが深い緑がわたしはすきだった。さりげない濃淡が海みたいに見える。兵庫という縁で「こんな花器がありますよ」と仕事先の人におしえてもらったのだ。「ああ、これだ」とわたしはひとりごと。ポン、と置いてみるとそれはその場所にしっくりと馴染んだ。器より深い色の薔薇のドライフラワーを挿すと、もう本当にぴったりだったのだ。好きなお店で見つけた、小物入れを横にそっと添える。「こんなものでいいのかしら」数百円で買った、なんでもない小皿だったけれどふたつはとてもお似合いだった。そうっと座ってみると、そこには何の違和感もなくて、とてもとても心地が良かった。ようやく、“わたしらしい席”が完成したのだ。なんだか久方ぶりに「これが自分の場所だ」と心の底から思うのだった。いつも、「まだ自分の居場所ではない」そんな気がして本当は不安だった。気に食わないのではない。特別に居心地が悪いのでもない。ただなんとなく「こんなわたしでいいのかしら」と会社にいてもどこにいても、それが気がかりで仕方なかった。ひとりで暮らす自宅だけが、そんな心配から解放される唯一気楽でやさしい場所だったけれど、彼と暮らすこの部屋はやっぱり「こんなわたしでいいのかしら」で満ちていた。それが徐々に徐々に潮が引くように、薄れていくのがわかる。ミシン台を仕事机にして、花を飾って、小皿を添えた。それだけで、なんだか部屋を見違えるように思った。けれど —— 。それを変えてくれたのは、本当にミシン台だったろうか?そのミシン台を「いいね」と言って、一緒に部屋へと運び入れてくれた人がいた。「へえ、同じ兵庫生まれなの」と話を聴いて、まじまじとその器を見つめてくれる、そんな人だと改めてわかったからではなかったろうか。今日も外は晴れて、わたしの机は気持ちがいい。「丹波焼」には季節の花も、みずみずしい緑も、くすんだドライフラワーもよく似合った。傍に置いた小皿には、大事な指輪を入れた。「こんなものでいいのかしら」とは、もうちっとも思わない。中前結花エッセイスト・ライター。元『minneとものづくりと』編集長。現在は、エッセイの執筆やブランドのコピーなどを手がける。ものづくりの手間暇と、蚤の市、本とコーヒーが好き。Twitter:@merumae_yukaLittle Happiness ギフトセット 3,850円「小さい出会い、長い付き合い」 他のストーリー小さい出会い、長い付き合い vol.1 「ハンカチのあの子」小さい出会い、長い付き合い vol.2 「クリスマスのお詫び」小さい出会い、長い付き合い vol.4 「レジャーシートは魔法のじゅうたん」小さい出会い、長い付き合い vol.5 「ぐいっと呑むもの、呑まないもの」
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暑い夏に。涼しげドリンク「茶氷」の作り方10選
暑い夏がやってきました……毎年どう酷暑を乗り越えるべきかと考えた末、行きついた答えが「日中家から出ない(笑)」。そんな究極のインドアがどうしても夏を感じたい!と家で楽しめる涼しげドリンク『茶氷』をはじめました。見た目は華やかですが、作り方はとっても簡単。アイデアの数だけ茶氷がある。ぜひ、みなさんも暑い日に作ってみませんか?家にあるお茶で作ってみましょう!冷蔵庫を買った時についてくるパキパキするタイプの製氷器。今まで使う機会がありませんでしたが、茶氷にハマってからは大活躍。色のついたドリンクを製氷器にいれて、4時間ほど冷凍庫にいれれば茶氷の完成です。炭酸水やサイダー、牛乳などで割っていただきます。ローズヒップ茶氷ピンク色の氷は、ローズヒップのハーブティーを濃いめに淹れて氷にしました。茶氷の魅力はなんといっても溶けても美味しいところ。薄くならないので時間の経過とともに、味の変化を楽しめます。ライムピール入り煎茶氷例えば氷の中にライムピールを仕込んでおけば、氷が溶けだす際にライムの香りがグラスいっぱいに広がります。紅茶氷のアイスラテアイスラテって溶けると薄くなって美味しさが半減するもの。しかし紅茶氷なら、溶けても美味しく風味が豊かに!自宅だから楽しめる組み合わせです。コンビニのドリンクでもOKなんです!「やってみたいけど、ちょっとお茶淹れるのめんどくさい……。」そんな方はペットボトル飲料がおすすめです。買ってそのまま製氷器に流し込み冷凍庫で冷やしましょう。濃いめカルピス氷のソーダ割はじめから「濃いめのカルピス」をペットボトルで買うのもあり!ほんの少し塩が入っているのでソーダで割るとちょっと辛口な気がします。クリーンな印象のホワイトが涼やかでおすすめです。ザクロ好きにはたまらない!ザクロ氷サイダーコンビニでたまに見かけるザクロジュースを凍らせただけのザクロ氷に、サイダーをいれた一杯。氷が溶けてくるとちょっとずつザクロ味が混ざってきて美味しかったそう!こちらはスタッフ湯浅作の茶氷です。ヘルシーな甘酒青汁氷前回「煎茶氷」で思うように色がでなかった反省を活かし、抹茶を求めてコンビニへ。ボトルとラベルの隙間の色を眺めると一際濃い緑色のドリンクが!なんと「青汁」だったんですね。なのでヘルシーな組み合わせでいこうと甘酒で割りました。溶けても青汁が苦くなく、はちみつのような甘みを感じます。コーヒーとミルクはどちらを氷にする?Netflix(ネットフリックス)で「ストレンジャー・シングス 未知の世界』(Stranger Things)をイッキ観したときに、どうしてもワッフルが食べたくなり、あわせて作ったコーヒーの茶氷。こどもの頃から、映画や本に出てきた料理を食べたくなる性格なのです……。コーヒーゼリーにミルク氷が絶品!茶氷をInstagramにアップしていたところ、知人から「茶氷につかって」と恵比寿にある猿田彦珈琲の「コーヒーゼリー」と「カフェオレのもと」をプレゼントしていただきました。なんとも嬉しい。早速、牛乳を凍らせてコーヒーゼリーとともに食べるのですが、氷が溶けるとともにシャリシャリとした食感とコーヒーゼリーの組み合わせがなんとも絶品!暑い夏のドリンクとしてもデザートとしても出せる一杯です。青い宝石からCity popな夜空まで!バタフライピー茶氷「なんで青いの!?」「一体なんの飲み物なんだ」と国内はもちろんイギリスからも、質問が来たバタフライピーの茶氷です。バタフライピーはタイでは一般的なハーブティー。ブルーベリーと同じ成分を持っているため青いのだそうです。あくまで自然なブルーなんです。ティーバッグをAmazonで購入しましたが、私調べによると輸入食品を取り扱う「カルディコーヒーファーム」がお買い求めいただきやすい価格のようです。健康にいいハーブティーなので炭酸水で割りたいところでしたが、とことん夏を感じたくてラムネで割りました。レモンをいれると色が変わる!まるで夜空青いお茶「バタフライピー」はなんとレモンをいれると紫色に変わる!という情報を得たわたしは思わず「え~!」と声を出して驚いてしまい、バタフライピー茶氷をトニックで割ることを決意。念のためレモンも用意しましたが、トニックだけでも紫色に変化していきます。溶けるほど夕日が沈んで空が夜空に移り変わるような美しさ。「なんてCity popな夜空……。」と思わずひとり言を言ってしまったのですが、「お前は何を言っているんだ」という感じですよね(笑)。よければSpotifyで『都会の空と音楽と』というプレイリストを聴いてみてください。きっと伝わるはずです。クラフトジンを入れてバタフライピー茶氷のジントニックにしても美味しそうです。溶けても美味しいのが茶氷の一番の魅力。簡単ながら目にも涼やかなドリンクですので、ぜひ暑い夏の日に楽しんでみてください!この記事に登場したアイテムはこちらろーたす 10ozゴブレット 4,620円アワグラス シャンパン 6,600円TS White スタッキングボウル 2,200円eni(エニ)Plate ホワイト 2,645円eni(エニ)Plate プレーン 2,645円今回の茶氷はInstagramのハッシュタグ「#茶氷研究所」を付けたドリンクをご紹介しています。よろしればハッシュタグをつけてお気に入りのレシピを投稿してみてくださいね!photo&text/@minamiyan