
3年目のうるしの弁当箱、修理に出しました。
Share
CRAFT STOREの人気アイテムのひとつ、杉の木クラフトの「うるしの弁当箱」は修理が可能なことはご存知でしたか?
うるしの弁当箱を愛用して3年目になるスタッフ タクミくんが、ついにお弁当箱を修理に出そうとしているとの情報をゲット。せっかくの機会なので、ご本人のお話も聞きながら修理の様子をお届けします。今回は杉の木クラフトさんの工房にお弁当箱を持っていって、実際に「うるしの弁当箱」をつくる工程も見せていただきました。
以前のお弁当コラム以来で、約2年ぶりにタクミくんにインタビュー。今でも変わらず美味しそうなお弁当を食べる姿を目にします。
≫ごはんが美味しくなる「杉の木」に感動!お弁当男子のプルコギ弁当
ー うるしの弁当箱とは今年で3年目のお付き合いとのことですが、最初と比べて変化を感じるところはありますか?
漆がはげてきて、色が黒くくすんできた感じがします。黒いふつふつができましたが、職人の溝口さんからは使用上問題はないとのことだったので、気にせず使ってました。あとは少し欠けがあったり傷が目立つようになりましたね。
ー 今回は漆の塗り直しをお願いしたいとのことでしたが、漆が薄くなってくるにつれて変わったことはありましたか?
使う面では特に気にしなかったのですが、強いて言えば香りですかね。
漆と杉が相まった香りがなんとも心地よかったのですが、それが今ではだんだんと薄れてきたので少し物寂しさを感じてました。
杉の香りに包まれた工房へ
タクミくんのお弁当箱には、ところどころ漆が薄くなって、表面が削れているような跡も。使い続けているからこそ見れる表情も味があって良いね〜!とみんなで盛り上がっていたところですが……
修理をお願いすべく、さっそく福岡県糸島市にある杉の木クラフトへ!
杉の木クラフトはのどかな自然に囲まれた場所にあります。いつもは青空が見渡せてとっても気持ち良いのですが、この日はくもりでした。
修理のお話の前に、作業風景を少し覗かせていただけることに。いつも杉の木の香りがいっぱいで、ゆるりとラジオが流れている工房。なんだか時間がゆっくりと流れているような気持ちになります。
うるしの弁当箱は、職人が手で木の状態を感じながら、ゆっくり丁寧に曲げて作られています。一度体験させていただいたことがあるのですが、これが本当に難しい!曲げるスピードや力加減を少し間違えると、木が割れてしまうんです。
天然漆を塗る姿も。漆は湿度によって色や状態が変化するそうで、こちらも職人さんが長年培ってきた感覚での調整が必要。ひとつずつ丁寧に、職人の手で漆のコーティングが施されます。
この他にも、乾かしたり形を整えたり、いくつもの工程が手仕事によって行われ、ようやくひとつの「うるしの弁当箱」が完成します。
「こんなに大事にされてうまれてくるんだなぁ。」と、ちょっと感動してしまいました。
▼杉の木クラフトの「うるしの弁当箱」シリーズ




使い方で変わる、お弁当箱の表情
では、いよいよ本題に!
まずは修理を依頼するタクミくんのお弁当箱を溝口さんに見ていただきました。
手にとってじっくり観察された溝口さんは「使い方がとってもいいですね〜。」と、なんだか嬉しそうでした。今までもお客様のお弁当箱を修理していただいていましたが、どんな風に使われてきたかによって、お弁当箱の状態は全然違うそう。
ー タクミくん、使い方がすごく良いとのことでしたが、うるしの弁当箱を使うときに気をつけていることはありますか?
まさか使い方で褒められるとは思ってませんでした。一応使う時に気をつけていたのはやはり「すぐ洗う」ですね。
食べかすが固まってカピカピになったり、油がついたままにしておいたりするのが嫌だったので、基本すぐ洗っていました。どうしてもすぐに洗えない場合は帰宅後すぐぬるま湯に30分〜1時間ぐらいつけて、食器より気持ち優しめに洗うようにしています。
あと時間があったら、洗った後にベランダで乾かしていました。使っているとどうしても水気を吸った蓋が反ってしまって、本体との噛み合わせが悪くなっちゃうので。
丁寧に使う、というより、育てるというイメージなんでしょうか。うるしの弁当箱は他の愛用スタッフはもちろん、これまでに修理をご依頼いただいたお客様も大切に使っている印象が強いアイテム。
修理は約1ヶ月ほどお時間を頂いていますが(お弁当箱の状態によります)、「これからもお弁当箱使いたいので待ちます!」と言っていただくことばかりです。愛着というか、自分の子供のような感覚で愛用してくださっているのかもな、と感じています。
お弁当箱が帰ってきました
タクミくんのお弁当箱は、漆を塗り直して1ヶ月ほどで戻ってきました。
修理前と比べて見ると、漆が塗られたことによってしっかり濃い色に。削れた跡もすっかり見えなくなりました。使い込んでいたことが改めてわかるなぁ。
使い込まれたお弁当箱に漆を塗ったので、新品とはまた違った表情に。表面もなめらかになったのではないでしょうか。
ー 待ちに待った我が子(お弁当箱)との再会、どうですか?これからも使い続けられそうですね。
水はけが良くなりました。最初のころと同じような感じになったのかな。
うるしの弁当箱は、もちろんこれからも使っていこうと思っています。また修理をお願いして弁当箱として使い続けていくのもいいし、古くなったらお菓子の入れ物とかにも使うのもありかなと思ってます。「弁当箱の第二の人生」的な。
確かに、お弁当箱以外の使い方もできそう。杉の木クラフトに伺うと、いつもコーヒーと一緒に、うるしの弁当箱に入った手作りクッキーでおもてなししていただくのですが、なんだか温かく迎えてくださっている感じがするので大好きです。
タクミくんのお弁当箱は、これからも少しずつ表情を変えながら育っていくんですね。
ここで最後に、生まれ変わったお弁当箱での最初のご飯を見せていただきました。うるしのお弁当箱に入ったタクミくんのお昼ごはん、今日も美味しそうです。
杉の木クラフトの「うるしの弁当箱」、修理をご希望の際はお問合せフォームよりご相談ください。