
日本酒に合わせたグラス・酒器選び/素材による飲み口の違い
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日本酒の世界的な人気
日本酒(清酒)の輸出が連続で過去最高を記録しているのは既にご存じの方も多いかと思います。その輸出額は平成17年に53億円だったものが、令和3年には400億円まで成長しているのだそう。※1
輸出国は、アメリカ、香港、韓国、台湾、中国ですが、近年はヨーロッパでも日本酒ブームが盛んなようです。
今この時にも他の国でブームの火がついているかもしれません。
さて、所変わって我が国の日本酒人気はいかがでしょうか?
海外とは裏腹に、長らく低迷中の様です。とはいえ、個性豊かな日本酒が多く出回る昨今。せっかくの日本のお酒の代名詞たる「日本酒」を好きになって美味しく飲んでいただくために、今回は日本酒に適したグラスの選び方をご紹介します。
日本酒にあったグラスの種類と選び方
まずは、そもそもグラスによって違いがあるのかどうかという疑問になると思います。
答えは、もちろん変わります。理由は人間の味覚を担う「舌」に依存するのはご存知の通り。
よく言う味覚の5種。”甘味、酸味、辛味、苦味、渋味”のいわゆる五味を感じる部分は舌の場所によって多少違います。
一般的にグラスの形状によって、舌の形は変わります。その微細な変化によって味が違って感じられると言われています。
もちろん人間が美味しいと感じるのは味覚だけではありません。
お酒の香り、舌触り、見た目、喉越し、などの様々な要素が起因します。
グラスの形や素材によって、それらの要素の感じ方も変わってくるのです。
ガラスは「うすはり」に代表されるように縁がとても薄いものから、タンブラーのように縁が厚いものまで様々です。
ガラスの特徴は無味無臭なので、お酒の味をダイレクトに感じられる点です。良くも悪くも日本酒の味本来を引き出します。
基本的に酒器によってかき消されてしまいがちなシャープなお酒や、繊細さを持ち合わせているお酒に合います。
微細な味を楽しむのであればまずガラスは間違いないです。
また、先ほどにもご紹介した海外の日本酒ブームもあり、ワイングラスで日本酒を飲む方たちも増えているそうですよ。
グラスのサイズの違い
日本酒を嗜む際に、多くの方が思い浮かべるのが、お猪口。
お猪口の形状の差異が与える味の違いは微々たるもので、お好みのデザインを選んでいただいても大丈夫。
お店で日本酒をお猪口で出されたら、本格的に日本酒を飲んでいる感じがしていいですよね。
基本的にお猪口で日本酒を飲む場合はやや甘めに感じられる傾向が強いんだそう。
また、香りもそれほど感じられないので飲みやすく感じられる傾向にあります。
タンブラーなどの大き目の酒器を選ぶ際には素材、形状などを吟味して選んだ方が良いです。
グラスの形状による味の違い
グラスの形状は主に香りの広がりに影響します。
お酒の香り、舌ざわり、風味など、どんな風に日本酒を楽しみたいかによって選んでみてくださいね。
フチが広がったグラス
縁が広がれば広がるほど日本酒が持つ芳醇な香りを楽しむことができます。ここでおすすめしたいグラスは意外にも縁の広いワイングラス。
グラスの縁が鼻まで覆うような大きさは日本酒が持つ香りを芳醇に感じさせてくれます。
sghr sai
saiという名は「差異」のこと。ぱっと見てオーソドックスなフォルムのようですが、3つの異なるカーブで飲み口が作られています。
飲み物の口の中への入り方、広がり方が味わいの違いを生み出します。その差異を試してみるのもグラスの醍醐味。
お客様の声
フチが狭まったグラス
反対に、ふちが狭まっている形はお猪口が代表的でわかりやすいです。
お酒の香りはそれほど感じられず飲みやすく感じます。
すっきりとした飲み口が特徴的。くれぐれも飲み過ぎにはご注意くださいね。
sghr クリスタルエッジ
シャープな見た目そのままに、キレのある日本酒に是非とも合わせていただきたいグラスです。
飲み口的にはなりスッキリした印象になると思います。
上品な見た目とスタイリッシュさを兼ね備えているので、シャンパンなどの洋酒とも合います。
お客様の声
違いが楽しめる日本酒グラスのセット
KIKINO(唎乃)は形状の違いでお酒を楽しめるグラス。違いをいろいろ試してみたい、という方にぜひおすすめ致します。
グラスの素材別の違いとおすすめ
こちらもまた、「そもそも素材で味が変わるの?」と、お思いになる方がいらっしゃるでしょう。
もちろん変わります。しかもかなり影響します。特にズバ抜けた味覚を持っていない一般人である私でさえその違いはかなり分かりやすかったです。
グラスの他にも、それぞれの特性を生かして日本酒を美味しくしてくれる酒器があります。
素材①:錫の日本酒グラス
素材の違いの中で一番わかりやすいのは「錫」。
これはすでに科学的根拠のあるデータですが、錫がもたらす光触媒効果によってお酒の雑味であるフーゼル油というものが分解され、お酒の味がまろやかになるのだそうです。
人によっては甘味が増す、という意見もあります。
能作 ぐい呑
錫で作られたぐい呑みです。先述した錫の効果をこれでもかと発揮してくれる錫100%のぐい呑み。
錫100%なので手で力を入れると曲げられるほどに柔らかいです。
ツウ風に言えば、実に程よく重く、内面がきらきら反射するので、清き一杯という演出が気持ちいい。
様々な日本酒で錫がもたらす味の変化をお楽しみいただけます。
能作 NAJIMI タンブラー
こちらも錫で作られたぐタンブラーです。
純度100%の錫を使い、手で曲げられるほど柔らかい質感。手に合わせてくぼみを作り、自分好みにカスタマイズできます。
容量は約350ml。日本酒や焼酎、ビールなどを飲むときに酒器として使うのはもちろん、ソフトドリンクにもおすすめです。
お客様の声
お酒好きなお二人に。能作 ふたえ
こちらも錫で作られたぐい呑。
ペアになった2つのぐい呑は、お互いに重ねることができ、お酒好きなお二人に是非ともおすすめしたい一品。ギフトとしてもユーモアあります。
指に気持ちのいい、鏡面のぐい呑
こちらはピカピカの鏡面に磨き上げられたステンレス製ですが、お酒の触れる内側は錫のメッキが施されており、錫の恩恵を受けられるのです。
この鏡面はかつて、アップル製品の鏡面を仕上げた新潟は燕三条の職人集団「磨き屋シンジケート」によるもの。見て美しく、指に気持ちのいいぐい呑みです。
錫の片口でまろやかに。
錫の恩恵に与るにはグラスやぐい呑を錫製にしなくとも、錫の片口を使うという手もあります。一度錫の片口に日本酒を注いでしまえば、ガラスや陶器製などお好きな素材のグラス、ぐい呑をお使い頂けるというわけです。
こちらの片口は、食器やアクセサリーに至るまで錫製品を手掛ける富山は高岡発のブランド ナガエプリュスによるもの。
SHIKICOLORS Pitcher Silverの詳細を見る
素材②:陶器、磁器の日本酒グラス
陶器、磁器はガラスよりもやや柔らかく味わいたい場合におすすめ。
やや甘みのある日本酒に合わせるのであれば陶器や磁器が合います。
陶器の方が磁器よりも味をより甘く、丸くする性質があります。また縁も厚い傾向にあります。
田代陶器店 底丸 こぼし
お店での日本酒の醍醐味、こぼし酒を自宅でも。素材は薄くハリのある有田焼の磁器。シンプルな佇まいは、お酒を嗜む大人にこそおすすめしたい。
底丸 こぼしの詳細を見る
底丸 ロックグラスの詳細を見る
茎 ロックグラスの詳細を見る
雪国の瓦から生まれたTSUKI カップ
断熱性や耐寒性に優れた瓦に使われる土は、実は酒器としても優秀。北国の瓦の技術を応用した、ちょっとロマンティックな陶器のグラスです。安田瓦の重厚な印象はそのままに、モダンにデザインされました。
雪国生まれの瓦ですから、熱を通しづらいのが特徴。つまり熱しにくく冷めにくい、逆もしかり。冷酒は冷たく、燗はあたたかく保ちやすいのです。
鈍く光る銀鼠色は落ち着いた晩酌の雰囲気にぴったり。口触りはすこしザラリとしています。大きさも丁度よくグラスの底がくびれているので持ちやすい点も良いですね。
サイズは高さが45mm/65mm/80mmの三種類あります。45mmはぐい呑と同じくらいの容量感。
お客様の声
そば猪口も日本酒におすすめです。
蕎麦猪口(そばちょこ)はその名からお蕎麦の汁を入れるだけのものと思われがちですが、カタチによっては酒器としても十分に優秀。お酒も、湯のみとしても、もちろん本来のそば猪口としても使えるから、お客さま用としても家にあって損はしません。
よく見るとユニークな絵柄 色絵
波佐見焼のブランド BARBARの色絵シリーズは繊細に飲み口が薄く、サラリとお酒が口に滑り込みます。一見トラディショナルな絵柄ですが、よく見るとウーパールーパーやパグなどユニークな動物が描かれています。
お客様の声
手仕事を感じながら。
工芸的だけどモダンな呉須による絵付け。こちらも波佐見焼の職人さんが、筆でひとつひとつ絵を描いています。ごてごてしすぎず、素朴すぎない絶妙なシンプルがたまらない。
CRAFT STOREオリジナルのそば猪口
当店ロングセラーの浅鉢でおなじみ、丹波焼の窯元 昇陽窯さんにお願いしてCRAFT STOREオリジナルの器を作っていただきました。人気のマットな質感とカラーを楽しめる、シンプルなそば猪口が焼き上がりました。手に持ちやすく、湯のみやマグカップの代わりとしても使いやすいサイズです。
まずはお好みの日本酒にあったグラスを
味は人間の中でも好みがわかれるもの。
いろいろな素材や形を試しながら、ぜひ、貴方にとって最高のグラスを探してみて下さいね。
※1 参照:国税庁 最近の日本産酒類の輸出動向について
取り扱い終了アイテム
木の日本酒グラス
木の酒器は基本的にフチが厚めで、厚めの酒器はお酒の味を重厚にします。
また木材にはある程度の木の香りがあり、個人差はありますが、お酒の臭みが消されて飲みやすくなる場合があります。
ちょっときついお酒を飲む際にはぜひお試しください。
我戸幹男商店 TASAI カップ
木のカップで日本酒を飲む。
艶やかな木目とその形状は日本酒を別のお酒に変えてくれる程のインパクトを発揮します。
木には唯一匂いがある素材。日本酒の香りを、木の香りでさらに演出してくれます。
藍の濃淡を楽しむ。
呉須による絵付けの濃淡が美しい「梅濃 そば猪口」。呉須というのは焼き物に使われる藍色の絵の具のことで「梅濃」はその美しさを余すことなく表現されています。フチはつるりと丸め。波佐見焼の熟練の職人の手によって、すべて手で描かれているため、機械生産とは一線を画する仕上がり。
お客様の声
麻のようにサラリと。
「布のような器」という意味のブランド「ceramic mimic fabric」がお届けする、片口とグラスの冷酒セット。
器なのにリネンような風合いを持つ磁器。涼しげな酒器は、焼き物に刻まれた布目からお酒がこぼれるのではと錯覚してしまうほど、繊細で丁寧。手に持つとサラリと気持ちよく、つい手に取りたくなるデザインです。
ゴールドとプラチナでふちどられ、ナチュラルな印象に気品がプラスされた器です。
【SOLD OUT】ceramic mimic fabric 冷酒セットの詳細を見る
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【SOLD OUT】ceramic mimic fabric ロックグラスの詳細を見る